E は本当に  なのか      - 製鉄の効率 -                 ガイドマップ  ホーム
 
 製鉄の歴史

自然界には、純粋な鉄は存在しません。掘り出した不純物を含んだ鉄鉱石を何段階も精製し、ようやく使用出来る「鉄」になります。

紀元前のヒッタイト帝国による製鉄法が発見されてから、現代までの、約4000年にわたる製鉄の歴史がありました。


製鉄とは、鉄鉱石を還元して銑鉄(せんてつ)にするまでの、
製銑(せいせん)と呼ばれる段階と、銑鉄から炭素や不純物を取り除いてより純度の高い鋼(はがね)に仕上げる製鋼(せいこう)と呼ばれる段階の2段階に分けられます。


そのうち製銑は巨大な
溶鉱炉中で行われますが、この高炉を使った製銑は、14世紀後半に欧州から始まりました。
しかし、高炉1立方メートル当たりの1日の銑鉄生産量は、18世紀頃で1トン、現在は2トンと、300年経って2倍。

中々製鉄の効率は上がっていません。

 
 製鉄材料

鉄の原料は鉄鉱石です。しかし、鉄鉱石だけでは鉄はつくれません。鉄鉱石を溶かして鉄分を取り出す高炉には、コークスや石灰石、石炭を一緒に入れる必要があります。


粉鉱石をそのまま装入すると、高炉は目づまりを起こしてしまいます。そこで粉鉱石に粉コークスと5〜15%の石灰石を混ぜ、一定の大きさに焼き固めます。コークスには、鉄鉱石を炭素で還元して鉄分を取り出す、高炉の中で還元ガスや溶けた鉄の通路を確保するといった役割があります。
(日本製鉄連盟)


銑鉄1トンを生産するためには、大体鉄鉱石1.5〜1.7トン、石炭0.8〜1.0トン、石灰石0.2〜0.3トン、
電力10〜80KWh、水30〜60トン」必要とされます。


日本の鉄鉱石、原料炭の輸入依存度はほぼ100%で、2001年度は鉄鉱石1億2,649万トン、原料炭6,277万トンが輸入されました。
(日本鉄鋼連盟)

 
 たたら製鉄

日本古来の技術「たたら製鉄」は、6世紀後半に朝鮮半島から伝わり、江戸中期に完成された技術です。


高炉法とは全く異なる製銑の原理は、原材料として鉄鉱石の塊ではなく、
砂鉄(粉鉄鉱石)を使用することです。

還元反応が速く、銑鉄ができるまで約30分と、高炉の16倍ものスピードです。


 
 新しい製鉄技術

「直接還元製鉄法」と呼ばれる製鉄技術。中国での第1号として、石家荘鋼鉄(河北省)の溶鉱炉をこの新しい設備へ切り替える検討を進めています。

この製鉄法は、鉄鉱石から不純物を取り除くための還元剤に、中国で採取できる安価な石炭をそのまま使うことができることで、通常の溶鉱炉に比べて鉄の生産コストが安くなり、熱効率が良いために、二酸化炭素排出量も抑えることができるのです。


また、アメリカでは同様の製法で、さらに鉄の純度を高める
「ITmk3」という製鉄技術が商業化の段階に入っており、将来は中国展開の可能性も高いといいます。

 
 現代製銑法の課題

わが国で本格的に製鉄が始まったのは,古墳時代(3〜6世紀)からで,広島県内では,戸の丸山製鉄遺跡(庄原市)や白ヶ迫製鉄遺跡(三次市)などで6世紀ごろの製鉄炉が見つかっています。

 当時の製鉄方法は,粘土で円筒形や箱形(はこがた)の炉を築き,これに「ふいご」で風を送りながら炭を燃やし,炉内の温度を1200℃以上にあげ,少しずつ砂鉄を振り入れて,炉の底に鉄のかたまり塊(ヒ・けら)を作りだすという方法でした。


現在、大型の高炉の建設費用は
五千億円とも言われ、維持費もかさみます。

また、高炉では鉄鉱石を炉内に高く積み上げるため、その重みで粉砕されない強度の大きな鉄鉱石とコークスを原料としなければならないが、そうした良質の鉄鉱石と石炭の産出量は限られています。


製鉄では炭素原料であるコークスを使うことで、大量の二酸化炭素が発生します。


現在、
1トンの鉄をつくるのに、コークス約500キログラムが必要ですが、今の技術ではこれ以上減らすのは難しいらしい。


日本が研究しているのは、その製鉄プロセスです。日本古来の「たたら製鉄」をヒントに、新たな製鉄法の開発に取り組んでいるのです。

 
 新製鉄法 ITmk3

神戸製鋼所が開発した新製鉄法ITmk3)を採用した最初の商業プラントが、10年1月より米国・ミネソタ州で、アイアン・ナゲットの生産を開始しました。米国の電気炉メーカーSDI社と共同で、年産50万トンを達成する予定です。
ITmk3は、従来の高炉法とは全くコンセプトの異なる革新的な製鉄法です。

高品位のアイアン・ナゲットを極めて短時間(約10分)で製造することが可能
安価な粉鉱石や一般炭を原料として利用することが可能
原料事前処理設備(コークス炉、焼結炉、ぺレットプラント)も不要
高炉法による銑鉄製造に比べて、エネルギー効率が良く、CO2排出量を約20%削減できる

また、電炉で鉄鋼製品を生産する際に、鉄スクラップとともに投入するのは、高炉銑鉄、ですが、ITmk3のアイアン・ナゲットを投入すると、高炉銑鉄より溶融性が優れているそうです。
そして従来、
高炉メーカーに限定されていた市場(需要家)を電気炉メーカーにまで拡大することが可能となります。

同製鉄法では鉱山近くにプラントを作れるため、原料の
輸送費を抑えられる利点もあるという。

今後は、アイアン・ナゲット製造プロジェクトを北米、ベトナム、インド、ロシア、豪州等において、数百万トン規模で展開していく計画です。

 
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