E は本当に  なのか     - 省エネマイナス効果 -           ガイドマップ  ホーム
 
 最先端技術に化石燃料

2010年1月、南米チリ・アンデス山脈の標高5000mの山頂で、日米欧が共同で建設を進めている国際電波望遠鏡「ALMA(アルマ)」が試験運用を開始。

ALMAは直径7〜12メートルの可動式の大型アンテナ66台を山頂に展開、最先端の技術を駆使して宇宙の進化のナゾに迫る観測に挑む施設です。2012年に本格運用を始めることにしています。

しかし、アンテナ群を効率的に運用するのに、一般家庭約2700世帯分をまかなう
8メガワットの電力を安定供給する必要があります。

現在は、標高2900mの山麓施設で
軽油を燃やし、タービンを回して発電。約40キロメートル離れた山頂につくった約200カ所の観測所に送電。

本格運用に向けて液化天然ガスタービンまたは複合燃料タービンの施設を追加する予定です。また、山頂は雨も雲もほとんどなく、広大な土地があるので太陽光発電には理想的な環境です。

しかし、発電は昼間、観測は夜間なので、充電システムが不可欠。予算面や技術的な問題が大きいのです。

また、重さが100トンもあるアンテナを観測所に
移動するには、28輪を持つ130トンの特注の専用台車を使用。

馬力が必要なため電気自動車ではなく、
軽油を燃やすディーゼル車に頼らざるを得ないという皮肉な事情があるのです。

 
 次世代スパコン施設

2010年2月、神戸市中央区のポートアイランドに建設中の次世代スーパーコンピューターの開発を進める施設を公開。

スパコンが入る「計算機棟」と、スパコンを
冷やすための水や空気を循環させる大型機械が入る「熱源機械棟」、100人以上の研究者が常駐する「研究棟」などがあります。総工費は193億円。


しかし、スパコンはソフトウエアを含めると
1千億円近く。施設全体で1カ月で最大2万1600メガワット時の電力を消費する。

標準的な家庭7万2千世帯分に相当し、施設の維持費は年間
100億円前後といいます。総合的に考えて、これでもエコなのか。

しかし2010年7月、東京大と国立天文台が共同開発したスーパーコンピューター「GRAPE−DR」が、米研究グループの
省エネスパコンランキング最新版で世界一と認定されました。
米バージニア工科大などのグループが年2回発表するランキングで、電力1ワット当たり毎秒8億1500万回の計算ができる低消費電力が評価されました。批判を浴びたスパコン開発ですが次世代の勝者になるには省エネ性能でも世界一が必要といます。

 
 資源開発の是非

独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」による世界での鉱物資源を探す事業が苦戦を強いられています。探鉱事業は、旧金属鉱業事業団の出資で始まり、現在の損失総額は3件で計約60億円。2010年5月の 「事業仕分け」第2弾の対象外でした。

非鉄金属会社6社と共同で設立した開発会社に約
5億5千万円を出資し、ペルーの銅鉱山を開発しても、ペルー政府に国有化されるリスクが生じ たため、1998年度に事業を終了。

また、開発会社に約
13億円を出資し、パプアニューギニアの調査により銅鉱石埋蔵量が多いことが判明。しかしジャングルの奥地から鉱石を運び出す道路整備な どが遅れ、2010年1月、75年から続けてきた事業の打ち切りを決定。

そして、約
43億4千万円出資した開発会社は、ハワイ沖の水深4千〜6千メートルの海底からレアメタルを引き上げる事業を民間企業約40社と82年に設立し継続中ですが、技術やコストの問題、国際ルールも未決定という状況により、開発の見通しは立っていません。

直接出資から手を引くべきとの批判もありますが、
国際競争の中で資源を確保するためリスクが高くても必要とする意見も。(朝日)

 
 除雪の有効利用?

97年、札幌市はJR札幌駅北口広場の地下に4000m3の融雪槽設置。03年、この融雪槽を使って雪から冷水をつくる実験を開始。

まず、除雪のシーズンが終わる3月中旬、最後に投入した雪を溶かさずに貯蔵。次に、融雪用の温水管を冷水管に切り替え、最後に、融雪槽内の
0〜4℃の 融雪水を熱交換器に流して、冷水をつくります。
冷水は周辺のデータセンターなどに供給して、
冷房として使用。雪による地域冷房は全国初の試みでした。融雪槽内に一度ためた雪が完全に解ける5月上旬まで、この仕組みが使え、通常の冷凍機を使って冷水をつくるよりも、融雪水から冷水をつくった方が消費 電力を8分の1に減らせる予定でした。

経費削減につながるうえ、年間の二酸化炭素排出量を
約50t削減できる効果も期待できたのです。
ところが、03〜06年の実験期間を終えた現在も、雪による冷房は完全な実用化に至っていません。1つは、雪の運搬費。最初に投入した雪が解ける5月上旬、札幌駅周辺にはもう雪が残っていないため、新たな雪を投入するには、市の郊外にある雪の堆積場から
運んでく る必要があります。

トラックを使った運搬費は雪1t当たり600〜900円。融雪槽を満杯にする2000tの雪を運ぶには
150万円ほど掛かかるし、雪の積み込み作業な どの費用も必要。もう1つの理由は、道路を除雪して集めた雪が決してきれいではないこと。

雪の中にはペットボトルや空き缶といったごみのほか、汚泥なども混入されていて、融雪水が流れる配管などが詰まらないように、数回使うごとに
数百万円掛けて清掃しなければならないのです。雪による冷房は、冷水をつくる仕組みだけで見れば効率的でも、雪の搬入や清掃の手間まで考えると費用対効果が劣る場合があるのです。 10/07(ケンプラッツ)

 
 風車のトラブル

2006年3月、兵庫県が1100万円を投じて、県庁舎の屋上に1基の風車を設置。ところが2008年10月、風車は撤去されること となりました。機種は、風向きに左右されず発電効率が高い帯状の「ダリウスローター」と、微風でも回転する筒状の「サボニウスローター」を組み合わせた定格出力 5kWの風車。イーアンドイー社が製造し、協和エクシオが設置。

ところが2007年から2008年にかけて、茨城県つくば市の小学校や三重県伊賀市にある国土交通省の無線中継所に設けた同型の風車が
破損して脱落する事故が相 次いで発生。県は風車が屋上から落下すると危険だと判断して、撤去に踏み切ったのです。撤去費用は協和エクシオが負担。

問題は、維持管理費。兵庫県は2009年度以降、5年間で計1000万円以上掛かることが判明。さらに、 風車が発電した直流の電流を交流に
変換する装置の電力使用量が、風車の発電量よりも多いことも問題。

静岡県が2004年3月、御前崎市に4億5000万円掛けて建設した定格出力1950kWのデンマーク製の大型風車。故障した
部品の調達に時間 を要すなどして、風車が計画通りに稼働できないといった問題が生じました。

2004年度は5700万円の売電収入でしたが、メーカーの保証が切れた06年度以降は稼働率が低下。08年度の収入は1377万円にとどまっ たのです。

2008年12月には
落雷を受けて風車の発電機が故障。県が約4000万円の修理費を工面するまでの約1年間、運転を停止したまま でした。(ケンプラッツ)

 
 



 

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