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 スマート家電

2003年8月のアメリカにおける大停電の後、このような電力網の障害を回避するための技術の開発に米エネルギー省が取り組みました。

その1つが、消費電力を一時的に抑制できるスマート家電。電力網上の異常を検知すると、スイッチが切れる仕組み。


米エネルギー省の関係者によると、こうした家電製品を使うことで新たな発電所を建設する必要がなくなり、消費者にとっても
電気料金の節約になるといいます。

そして電力会社側でも電力消費のピーク時における負荷軽減に役立つというメリットがあります。

 
 スマート家電の実験

2005年米エネルギー省の「パシフィック・ノースウエスト国立研究所」(PNNL)は電力会社と協力し、電力変動を検知できる家電製品の導入により、電力網の柔軟性と費用対効果の向上が可能かどうかを見極めようと、衣類乾燥機150台と給湯器50台を使った最初のテストが行なわれました。

2009年10月には、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は、同社の
スマートグリッド対応洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、電子レンジの最初の実験の場として、ケンタッキー州ルイビルを選びました。

 
 スマートグリッド

電力の流れを供給側・需要側の両方から自動制御し、最適化できる「スマート(賢い)」な「グリッド(電力網)」のこと。そこには、専用の機器やソフトウェアが、組み込まれています。

従来の、需要のピーク時を基準とした容量設定では
ムダが多く、送電網自体が自然災害などに弱い欠点があります。

これは、オバマ政権が、米国の
グリーン・ニューディール政策の柱として打ち出したことから、一躍注目を浴びることとなりました。

効率的な配送電による省エネや、再生可能エネルギー導入の促進など、高機能化を行うことで関連産業を成長させ、競争力をつける目的が感じられます。

2010年度からは、米国ニューメキシコ州のロスアラモス地区とアルバカーキ地区の2カ所でスマートグリッドの
日米共同研究プロジェクトが開始されます。

具体的には、太陽光や風力など、再生可能エネルギーを導入した際の配送電線網への影響や、スマートメーターを活用した新サービスの実証実験など。日米は同プロジェクトを通し、スマートグリッド関連技術の向上と国際標準化を進める考えです。

 
 胸算用

スマートグリッドに110億ドルを投資すると明言したオバマ氏。

PNNLによると、スマートグリッドにより、消費者にとっては向こう20年間で800億ドルの節約になるといいます。

従来の方法では、各電力会社は増加する電力需要を満たすために今後20年間で
4500億ドルの投資が必要らしい。

そこで、スマート家電を導入すれば、新たな設備費を最大で
10%削減出来るといいます。

電力業界では、ピーク時の負荷に対応するために、需要量の6%を確保できるよう発電所の能力を必要以上に大きくしています。

それを
1%減らすには、数十万台のスマート家電が必要になるらしい。

 
 スマートグリッドの長所短所

メリットとしては、下記の4点が挙げられます。

1. 昼間電力の一部を夜間電力に移行させる事による電力設備の有効活用と省エネ
例えば洗濯を翌朝にするなど、生活習慣を変えることで電気代が節約できます。
2. 再生可能エネルギーの導入
3. エコカーのインフラ整備
4. 停電対策

ただ欠点もああります。
例えば
セキュリティの問題。スマートグリッドのインフラには、高度な通信システムや技術が結集することになります。

そこに不正操作やウイルス感染などの可能性があり、対策はまだ不十分だと言われています。

スマートメーターで収集した個人データを電力会社が顧客の許可なしに使用する可能性があるとも。 そして、料金未納者に制限をかけられ、弱者を生んでしまいます。

 
 実験都市

GEは、同社のスマートグリッド対応洗濯機、乾燥機、冷蔵庫、電子レンジの最初の実験の場として、ケンタッキー州ルイビルを選んだ。

各家庭にスマートメーターを設置し、電力使用量の制御や太陽光発電の導入などを行う予定です。

その他、
グーグルスマートグリッド事業への参入を決めています。

アラブ首長国連邦(UAE)の首都である
アブダビでは、再生可能エネルギーだけで成立するモデル都市「マスダール・シティ」の建設が進んでいます。

ここでも、スマート家電の
効果を実証する実験が世界で初めて実施されます。

人が居住する部屋に双方向通信ネットワークとスマート家電を設置し、スマート家電の動作を制御するとともに、その使用状況に関するデータを収集して効果的な省エネの実現を目指しています。

 
 マスダール・シティ

世界初となる二酸化炭素を排出しない「ゼロ・エミッション・シティー」です。

アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで2006年から建設が始まっており、15年に完成する予定です。

新都市は総面積は6.5平方キロ、開発費は220億ドル(約2兆4000億円)。想定人口は5万人で、特徴は、
再生可能エネルギーだけで全体の電力を賄う世界初の都市という点にあります。

計画によると、周辺では、太陽光発電パネルが畑のように広がり、周りを風力発電用の風車が取り囲む。

自然エネルギーを主な電力源として都市全体に供給するほか、
カーボン・ニュートラル(炭素中立)やゼロ・ウェイスト(廃棄物ゼロ)の実現を目指しています。

 
 GEの計画

GEは10年から、マスダール・シティでスマート家電の実験を行う予定です。GEはアンカー・パートナーとしてこの建設に協力しているそうです。

約10人の住民が2年間にわたってこれらの家電をテストする計画で、実験を行う各住居には220V、50Hz対応の冷蔵庫と電子レンジ、乾燥機能付き洗濯機の3種類のスマート家電を設置します。

これらの家電は双方向通信機能と高度な動作制御機能を備え、「電気料金の増加幅が大きい」との情報を受けると、冷蔵庫は除霜を遅らせ、庫内の温度を数度上げます。

「電気料金の増加幅が小さい」との情報を受けると、除霜を実行し、庫内の温度を従来の設定値に自動で戻します。
こうして
エネルギーの消費量を抑えて電気料金を節約します。

GEでは、このパイロット・プログラムの結果を反映させたスマート家電の量産ラインを11年に立ち上げる予定です。

将来的には、スマート家電から電力網までの一式を提供できる
世界初のメーカーになる計画を立てています。

 
 イタリアの躍進

イタリアでは、全世帯の約85%スマートメーターが設置され、世界一の普及率を誇ります。実に10年足らずで世界一のスマートグリッド先進国になったのです。

イタリアで圧倒的なシェアを誇るエネルは2006年までにエネルが投じた費用は、
30億ドル(約2670億円)に上ります。

もうひとつは横行していた盗電などの不正行為を封じ込める目的もあったという。そして スマートメーター導入に伴うコスト削減効果は毎年、計
7億5000ドル(約670億円)に上り、設備投資額をわずか4年間で回収できたといいます。

米国エシェロンの技術を採用して独自に開発したスマートメーターは、電力消費量データを本社に自動的に送信し、顧客にその時間帯の料金を知らせることができます。当然係員による検針はありません。

電力需要ピーク時や冬の寒い夜など、電気料金の高い時間帯がスマートメーターで把握できるため、顧客の電気代は、これまでの
半額になったと見ています。

ただ、貧困層や高齢者など
社会的弱者が、電気料金の値上げに苦しむ可能性やプライバシー上の懸念から、導入が進まないケースも依然として多いのです。

 
 柏の葉キャンパス

千葉県柏市、柏の葉キャンパス駅周辺では、柏北部中央地区一体型土地区画整理事業(約272.9ha)とともに、公・民・学の連携による壮大で新しい街づくり「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が進められています。

本プロジェクト推進のため、ジョイントベンチャー
「スマートシティ企画」が2009年9月に設立。

SAP AG、シャープ、日建設計、日本ヒューレット・パッカード、三井不動産、イーソリューションズが参加し、東京大学と技術連携を図り推進。

また、東京電力がオブザーバーとなっている。今回、本プロジェクトの趣旨に賛同し、伊藤忠商事、清水建設、日立製作所、山武の4社が、2010年4月より
「スマートシティプロジェクト」に参画。

伊藤忠商事の茨城県つくば市における電気自動車の実証実験や世界中でのスマートシティ関連事業のノウハウ、清水建設のマイクログリッドや建物のCO2排出量の削減技術、日立製作所のエネルギーインフラ構築力、山武のビルオートメーションシステムなどが加わり、体制が強化されました。
(日刊工業新聞 )

 
 韓国のスマートシティ

世界でも一足早く、人が実際に生活している韓国のスマートシティ「松島新都市(ソンドシントシ)」

現在は建設途中や未着工の高層ビルやマンションもありますが、完成のマンションには約8000人が暮らしています。最終的には
約6万5000人が暮らす都市になる計画だ。

自然環境との共生を重視した街だけに、
自然も多く、ニューヨークのセントラルパークを参考にしたという約4万平方メートルもの広さの公園が広がり、海水を利用した川にはバス代わりの船が行き来します。低層の建築物の屋上は緑化されています。

そして分譲済みのマンションの住居には
ハイテクが満載。リビングにはエアコンや照明の制御、電力消費量の確認などができる集中制御端末があり、大画面テレビやパソコンでも同じ操作が可能。レストランを予約したり、テレビ会議システムを使って医師の助言を受けたりも出来ます。これらのシステムは今後、米アップルの「iPhone」のようなスマートフォンでも操作できるようになる予定。

体重や血圧、体脂肪などのデータを医師に送り、簡単な診断を受けられる
「eヘルス」サービスも。ゴミをダクトから吸引して収集センターまで自動集積するシステムがあるので、街にゴミ収集車は不要。将来はガスを利用した発電システムや、燃料電池バスの導入計画。近隣に地下鉄の駅が複数あるので、自動車を多用しなくて済みます。

現時点では太陽光発電などの再生可能エネルギーが十分に活用されていませんが、導入は今後の構想に盛り込まれています。次世代電力網の
スマートグリッドとの連携もできるよう、エネルギーシステムが構築されているといいます。

ネットワークは米刻の
シスコシステムズ。シスコはソンドの都市サービスの提供に必要なITインフラを、地元のインチョン経済自由区域庁やゲールと共同で構築。今後韓国で5年間に総額20億ドル(約1700億円)を投じて、研究開発センターを新設する予定。

 
 

 

 



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